こんにちは、聡です。
「セーヌ川、グランド=ジャット島で」 1888年
ジョルジュ・スーラ 1859-1891年
新印象派を代表する(ただしオルセーカタログではその前のポスト印象派に分類)スーラの
最も著名な作と言えば、2年前に描かれたこちら。
「グランド=ジャット島の日曜日の午後」 シカゴ美
このグランド=ジャット島なる土地、パリ市の北西、今でこそ新凱旋門の立つデファンス
辺り、そこに流れるセーヌの中洲にあたる島。
19世紀の後半の頃は未だパリから遠く、時の印象派、ポスト印象派の面々、モネにゴッホ、
シスレーに勿論スーラが、光求めてこぞって郊外へと足を運びました。
「グランド=ジャット島」 1873年 オルセー美
シスレー
「グランド=ジャット島」 1878年 ポーラ美
モネ
「セーヌ川と、グランド=ジャット島の橋」 1887年 ゴッホ美
ゴッホ
場所がまちまちなのでなんですが、描かれた年代順に並べてみました。
穏やかな土地柄の持つ共通した雰囲気は判るような気がします。
色を基本色に分割して描く分割描法をスーラや、この後のシニャックによって、点描法へと
発展を見たこれらを新印象派と称します。
一瞬を捉える印象派の究極な試みである点描手法に付いて、ベルギー王立美ガイドは
面白い事を言っています。
一瞬を捉える為行き着いたところ、それが殊更に時間の掛かる分割的手順と言うのは、
パラドックスともいえるだろう。時間は固定した、不動のイメージの中に凍りついている。
「サーカス」 1891年 オルセー美
よろしければこちらも。
31歳で病死する最後の年の作品です。
肩の力が抜けた自在な画風に変わりつつあるようで、早い死が惜しいですね。